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トップ > 学生の悩み相談 > その悩み、私が聞こう! > 悩み:『格好悪いオヤジたちのようになりたくない』 - 牧田 幸裕の熱血・悩み相談 -  




「街で見かけるサラリーマンはみんな疲れた顔をしていて、本当に格好悪い。あんなオヤジたちにはなりたくないと思うと、就職するのが嫌になります」 日本・東京 Sさん

格好良さのスタンダードは変わる。
オヤジたちは、最高に格好良い。

「街で見かけるサラリーマンは、みんな疲れた顔をしている。満員電車に毎日揺られ、疲れきって覇気も感じられない。ネズミ色のスーツに身を包み、それもヨレヨレだ。格好悪いよなぁ。あんな風には絶対なりたくないなぁ」 まったく同じことを、僕も学生時代に感じていました。

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そして、今から10年前に僕は、外資系コンサルティング会社に入社。戦略コンサルタントとしてキャリアをスタートさせました。赤坂の綺麗なオフィスで、優秀な秘書を伴いながら、名だたる大企業に颯爽とコンサルティングすることを夢見て。 しかし、入社して待ちうけていたのは、厳しい現実でした。大学院を出たての若造に大企業相手のコンサルティングなど、いきなりできるわけもなく、日々コンサルティングの基礎となるデータ分析、インタビュー・ヒアリングを行うことになりました。

毎日、朝から雑誌、レポート、官公庁の資料などを探し回り、クライアントの様々な部署へ足を運び、データ収集の依頼をし、実際に取りに伺い、全国に散らばる支店へインタビュー・ヒアリングを行います。 データ収集が終わると、もう夕方。急いで吉野家で牛丼をかきこみ、そこから分析。まだまだ分析手法も甘ければ、分析の視点も甘い。分析してはダメ出しを喰らい、それを夜中まで繰り返す。上司のマネジャーが、日付が変わる頃帰宅していっても、僕の仕事は終わっていない。朝日が出てくるまで、分析をやり直す。そして、次の日もとりあえずシャワーを浴びに自宅へ戻り、1,2時間寝たら、またレポート収集が待っている。 そんな毎日が月曜から金曜までずっと続きます。金曜になるとヘトヘトで、もはや遊びに行く気力もありません。ボロボロになり、週末はただ寝るだけという日々が続きました。

ある金曜日の夜、雨が降っていたので、(僕は1年目からバイク通勤をしていたのですが)アメリカン・バイクで帰るわけにも行かず、仕方なく最終電車で帰ることにしました。 毎日、ボロボロになるまで働きヘトヘトだったので、すぐに座席に座り寝入ってしまいました。しばらくして目を覚ますと、目の前にオヤジが座っていました。ねずみ色のスーツは雨で濡れ、髪の毛もビショビショでおでこにへばりついています。オヤジもドロのように寝入っていました。 僕はその姿を見て思いました。「今の僕と何が違うんだ?」 翻って僕の姿を改めてみてみると、サスペンダーをして格好つけてはいたものの、シャツはズボンからはみ出し、髪の毛などセットする暇もなく(そもそも美容院に行く暇も元気もなく)、目の前のオヤジと何も変わるところはありません。目の前のオヤジの姿は、まるで、そのときの僕を映しているかのようでした。

でもそのとき、僕は自分もそうだし目の前のオヤジもそうですが、全く格好悪いとは思いませんでした。確かに見栄えは悪いかもしれないけれども、僕だってオヤジだって全力を尽くして、自分の仕事を頑張っている。それでボロボロになろうとも、その生き様は決して恥ずかしく思う必要はない。

学生時代の格好良さとビジネスの世界での格好良さは、スタンダードが異なります。学生時代はお洒落だとか、流行の先端を行くスポットを知っていることなどが、格好良さのスタンダードですが、ビジネスの世界では、目の前に課せられた仕事にどれだけ真剣に前向きに取り組んでいるかが、格好良さを決めます。決して外見の格好良さだけが基準となるわけではないのです。

学生時代は学生時代の基準で、世の中を見てみる。それで見えてくる世界、そして、見えない世界があります。しかし、それだけで世の中を判断する必要はない。ビジネスの世界に入れば、また新たな価値判断のスタンダードを自分で感じるようになります。 だから、今のスタンダードでビジネスの世界を判断し、ビジネスの世界を恐れる必要も怯む必要もありません。目の前に課せられた仕事に真剣に取り組み、達成感を感じられれば、自分自身のスタンダードで自分に格好良さを感じられるはずです。