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トップ > 社会人の先輩日記 > メジャーリーグ球団で働いています! > No.2 メジャーリーグでインターン体験

こんにちは。 二回目の今回は、インターンシップの話をしたいと思います。

日本でもインターン制度があるように、アメリカにもインターンはあって、大学卒業前の学期は、学部に関わらず、全ての生徒がインターンをします。実際に社会に出ることでいろいろな経験が出来ますし、就職する際に有利に働くこともあります。

私は、アメリカ・メジャーリーグで2002年と2003年のシーズンをコロラドロッキーズの傘下チームであるAAAコロラドスプリングス・スカイソックス(1軍から7軍まである中の2軍)でストレングス・アンド・コンディショニング・インターンとして2年間働きました。

駄目もとでメジャー30球団にアプローチ

私の学部では、卒業直前の学期は学校で受ける授業はなく、決められた時間のインターンを終了した時点で単位がもらえることになっていました。ただし2週間に1度、1時間ほどのミーティングを行い、経過の報告をすることになっていました。そんなわけで、周りの生徒達は、ボストン周辺のジムや、大学などでのインターンシップを探していました。

 

私はどうしても野球関係の仕事に就きたかったので、2001年の秋にメジャー30球団に駄目もとで手紙と履歴書を送りました。手紙は、大学で運動生理学を学び、4年間野球部でプレーしていたことを書き、何かお手伝いできることが無いかといった内容のものでした。 しばらくして、約半分の15球団から返事をもらいました。 その中の半分は、「現在はポジションが空いていないけれども、空いた時のために履歴書は保管しておきます。」というもので、残りの半分ぐらいの球団からは、「履歴書を審査した後、電話をします。」という返事が来ました。その後、クリーブランド・インディアンスから最初に電話をもらい、電話でインタビューをしました。更に数日後には、コロラドロッキーズとも電話でインタビューをし、数週間後にインターンのオファーをもらうことが出来ました。まさか出来るわけがないと思っていた、メジャー球団からのインターンのオファーをもらい、迷わず、「最初にオファーをくれた」という理由で、ロッキーズでインターンをすることを決めました。

インターン先が決まったところまでは良かったのですが、ここで1つ問題が発生しました。それは、学校で2週間に一度行われるミーティングに参加できなくなることと、インターン中にしなければならないプロジェクトを、進めることができなくなるということでした。そんなわけで、インターンシップを担当している先生には、州外でのインターンは認めないと、猛反対されました。自分は成績が悪くなっても、卒業さえ出来れば良いという考えだったので、ミーティングとプロジェクトの点数はいらないので卒業できる最低の成績をつけてくれるように頼み、入学以来アドバイザーだった先生には後押しをしてもらい、何とか認めてもらうことが出来ました。

コロラド・ロッキーズでのインターンがスタート

翌年2月にロッキーズのキャンプ地であるアリゾナに到着して、自分を雇ってくれたマイナーリーグのコーディネーターや、自分と同じように雇われた4人のインターンたちと、初めて顔を合わせました。チームは1軍から7軍まであるので、自分を含めたこの5人でシーズン中の配属先を争うことになります。この当時は少しでも上のレベルに付くのがいいものだと思っていたので、2軍・3軍あたりに行きたいという思いがありました。 ちなみにこの配属先は、インターンのストレングスに対する知識とパーソナリティーから決められます。例えば、若い選手の多い4軍以下には選手に球団のプログラムをしっかりとさせることのできる力量を持った人、ベテランや一度メジャー経験している選手が多い2軍には、選手個人の必要に応じて、球団のプログラムを微調整できる、臨機応変の利くインターンが必要です。

自分でトレーニングすることも大切~選手たちと共に過ごす一日のスケジュール

マイナーリーグの選手が集まってくるまでの3週間は、メジャーキャンプに呼ばれている約60人の選手しかいないため、仕事量は比較的少なく、まずは、キャンプがどのようなものか、メジャーリーグの世界というのはどんな所なのか、などをしっかり理解するのが一番の仕事でした。当時のスケジュールは

午前 4時30分:起床

午前 5時00分:自分のトレーニング開始

午前 6時00分:他のインターンとともに掃除とウエイトルーム/グランドでのストレッチの準備

午前 7時00分:ミーティング/トレーニングに来ている選手の補助

午前 9時00分:練習開始

午後11時30分:練習終了

午後16時00分:ホテルに戻る

午後19時00分:就寝


といった感じです。

朝自分のトレーニングを行っていたのには、2つの理由があります。1つは、練習が終わった後の夕方は、体が疲れていて、トレーニングをしても意味がなくなってしまうこと。もう1つは、朝の早い時間帯には、球団社長やGM、そしてコーチ陣もトレーニングに来るので、彼らと世間話などをして交流を深めると共に、いろいろと貴重な話を聞け、楽しい時間になったことです。


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選手がグランドに出て練習をしている間は、球拾いでも何でもいいので出来る限りの手伝いをします。野球経験のあった自分は、ピッチャーの守備練習の時は、一塁手をしたり、マイナーのキャンプが始まると、打撃練習のピッチャー役や、ノックをしたりしました。おかげで、他のインターンよりも選手と色々話をする機会が多く、選手に溶け込めるのが早かったように感じます。英語がパーフェクトに出来なかった分、野球経験で取り返したという感じでしょうか…。 グランドでの練習が終わりに近づくと選手たちのコンディショニング(走りこみ)が始まります。選手数が多いために、少人数のグループに分けられ、練習と平行して行われます。


1つのグループが終わるとすぐに次のグループが走るのですが、当時のメジャーリーグのストレングス・アンド・コンディショニング・コーチは、全てのグループと一緒に走りこみをこなしていました。インターンも出来るだけ一緒にやるように言われていたので、自分も全てのグループと走る毎日でした。体力的にはきついものでしたが、野球をやっていた経験を活かせてインターンが出来ていたので、この頃からこの仕事は、担当するスポーツを経験していた人のほうが活躍しやすいのではないかと考え始めました。


コンディショニングが終わった選手の、残りの時間は自由時間なので、すぐにトレーニングをする選手、お昼を食べてからトレーニングする選手、居残り練習の後にお昼を食べて、トレーニングをしにくる選手など様々で、いろいろな時間帯に選手が来ます。ですから、自分達は最後の選手がトレーニングを終えるまで、ウエイトルームを離れることができません。 休憩時間もインターン同士の交代制なので、ゆっくりお昼を楽しむなんてことは出来ませんでした。選手が少なくなってくると、トレーニングの補助をすると同時に、クラブハウスのプロテイン飲料の補充や掃除など次の日の準備をします。 そして、選手がいなくなった後は、一日の反省会。  特に、メジャーのコーチやマイナーのコーディネーターたちが聞かせてくれた話を聞きながら、大学で勉強してきたことが仕事に直結するとは限らない、ということを感じました。


日を終える頃には、クタクタだったのですが、それでも、自分の部屋へ帰る前に、近くのスターバックスへ一人で行くことを日課にしていました。5人のインターンで部屋は3つ、順番で一人部屋が回ってくるとは言え、基本的には2人部屋だったので、スタバにいる時間は、一人の時間を持てる、いいリラックスにもなっていました。

強く持った「チャンスを無駄にしない気持ち」と「感謝の気持ち」。

このようにして1年目のインターンが始まりました。たった6週間の春季キャンプでしたが、ストレングス・アンド・コンディショニングの仕事には何が必要なのか、何をしなければいけないのかということを学びました。1番大切にしていたことは、もらったチャンスを無駄にしない気持ちと、感謝の気持ちを胸に、何事も自分から率先してやったことでしょうか。朝一番で球場に行き、夕方は最後に球場を後にする。長い時間いればいいというわけではないですが、誰かが何か手伝いを必要としたときにそこにいれることを心がけていました。たとえ、それが自分のストレングス・アンド・コンディショニングという仕事に関係のない雑用だったとしても、受け入れてきたことが周りに伝わったことで、シーズン開幕は2軍で迎えられることになりました。もちろん、野球をしていた経験が活きて、選手と良い関係が築けたことも理由のひとつだと思います。

次回は、シーズン中のインターンの仕事、そしてどのようにして2年目、3年目につながっていったのかということの話をしたいと思います。